ゴリラの檻まで1マイル

メジャークラフト バスパラ　ＢＰＣ－６３２ＭＬ


2ピースのバスロッド，6600円也．


『マス』とは力であるのです．
つまりは，大量生産によって享受できる圧倒的アドバンテージ．

大量生産品の中で毎日を生きる私が言うのも何なのですが，これはヤバい，というか，良いんでしょうか，ここまでやっちゃって．

こちらは先日のボートシーバス用に購入した今春発売のメジャークラフトの廉価版エントリーモデルのバスパラ63MLです．

元々，メジャークラフトというメーカー自体が，明快に打ち出したコンセプト，大量の宣伝広告によるイメージ戦略，廉価でコストパフォーマンスに優れた製品という，明確な戦略を以ってロッド業界を席巻する異色のメーカーです．
良くも悪くも話題に良く挙がるメーカーではありますが，周りの方々にメジャクラ製品の使用感を聞いてみても，大抵の方々が満足してるかなと．
他メーカーじゃこれがエントリーモデルとして1万円で売っていても何もおかしくありません．
というか，ガイドがSiCモデルだったら2万円くらいで売られていても，私の技量では多分何も疑いを持たない予感．
でもまぁ，アンダー諭吉でここまでやるのかってのが正直な感想．



ガイドは流石にハードガイドです．でもFUJI製品使用．
この辺は価格帯が上のスライサーと差別化しているのでしょうか．


グリップは塗装あり，ワインディングにカーボンパイプで装飾．


グリップエンドも手抜きなし．
いや，本当に芸細かいんですよ，ええ．

ロッドビルドに手を染めている方なら，この脅威はきっと伝わるはず．
単純に既製品のパーツで組んだ場合，6600円であればグリップとガイドで予算を超える可能性大です．いやマジに．
そもそもの原価代を抑えるだけの体制が出来ていないと，この値段でこれは無理，いや，無理だと信じたい．

圧倒的強者の理論で成り立つこの製品．
商品のイメージ戦略もまた上手いものでして，全体的に，良い感じにチープなんですよ，これが．
デザインはしっかりしてる分，ある程度狙ってやってるチープさで，他の自社製品とは明らかに差別化を測ってるんじゃないかと思ったり，思わなかったり．


今の釣り事情に疎い私では，この商品が狙う購買層と，その層の厚さ，他メーカーの商品構成などなど，メジャークラフトの撃った戦略が妥当かどうかを推測するのは困難ですが，この値段でこの内容，衝撃すぎます．

ロッドとしての性能については保留ですが，モノとして存在感は釣具屋に並ぶ同価格帯の製品を歯牙にもかけない圧倒的内容．
『6600円でここまでやる』ってのは，色々な意味で今後に影響を及ぼしそうな予感．